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三村珈琲店

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とても眠かったけれど

午後から
三村珈琲店に
行くことにしていた

午前中
フラワーアレンジメントをして
それが
イマイチの出来で

まあ
こんな日もあるさと




妹が一緒だったので
何年かぶりに
二人で店を目指した


たまには
ひとりじゃなくて

誰かと行きたくなる


ついでに
彼岸花を撮りたかったので

カメラも持って

霧雨のしっとりとした
空気を切って
車は走る




土曜の午後は
結構
混んでいる

大きなソファを二人占めしたけれど
すぐにお客さんがやってきて
二人席へ移動した

人がいても
せせこましくない

ちゃんと
プライベートが保てる
計算された店内で

会話を邪魔しない
BGM



この店で
一人ではできないこと

それは
ケーキのシェア


チーズケーキと
バナナケーキと
スコーンも頼んでしまった

ちょっと多い
けれど

二人で
喋る
食べる

喋る
食べる

そして
カフェオレ(私)とチャイ(妹)を
ひとくち

また

喋る
食べる
喋る

をしていたら
ちゃんと
食べきれる不思議


あっという間に
夕暮れ時になってしまって

急いで会計を済ませる


実家までは 1時間
そして
私の家までは もう1時間



この日は

夕食の準備が

大幅に
大幅に

遅れた
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by michel-nano | 2016-10-02 13:27 | 三村珈琲店

三村珈琲店

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休日

早朝のジョギング後に 二度寝
次に起きたら 大寝坊
でも 仕事をしようと支度をはじめる

その日は 職場から向かおうと思ったから


日が短くなった

街灯の少ない 薄暗い道を走る

さみしくて さみしくて
そのさみしさが とても心地よくて

死んでしまった人のこととか
出会った人のこととかを
思い出していたら 
店に着いた


その日は先客がいた

私と同じく おひとり様が多め
後から二組ほど来て
少し にぎやかな店内
こんなかんじは久しぶりな気がした

店主と会話を楽しむ人には カウンター
じっくり本を読む人には 奥の備え付けのテーブル
友人とお喋りするなら 中央のテーブル

それぞれが それぞれの楽しみ方をしている

私はピアノ近くの二人掛けに腰かけて
そろそろ出ているかと狙っていた
栗のクグロフを注文
それからイエメンモカを頼んで
BGMのJAZZに耳を傾けた

本棚にある 大量の本の中から
「薬草全科」を手に取り
それを片手に
遠くにいる 一番大事な友達にメールを送った

「いま三村珈琲店にいます」




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by michel-nano | 2015-10-13 08:00 | 三村珈琲店

三村珈琲店

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友達を誘って
二人旅

旅と言っても
1時間ほどのドライブだけど

夕方と夜のちょうど真ん中の
うす青い 闇の道を走る

会話が止まらず
気がつくと店の前だった

先客はなし

「多分 夜ごはんを食べた人たちが これから来るんだよ」

その予言は当たって
私たちの後から
ひと組
またひと組と お客が来た

夏は過ぎて
少し肌寒い店内
薪ストーブはまだ
口を閉じて眠っている

一番奥のソファーを
ぜいたくに二人占めして
深々と腰をかけ くつろぐ

友達と来ると
一人で来るよりも良いことがある
別々のケーキを頼んで 半分こできるのだ

今日は
チーズケーキ
バナナケーキ

それと久しぶりの
珈琲ゼリー

あの
羽より軽いバニラアイスがのっているやつ

飲み物はそれぞれ
チャイと
東ティモールで

3時間以上 喋り通した

秋の澄んだ空気を裂いて走る車の中で
私たちの会話は
まだまだ途切れない








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by michel-nano | 2015-09-22 13:25 | 三村珈琲店

三村珈琲店

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16時の西日に射抜かれて
濃い緑の影が山肌を撫でる

キジやヤマバトが飛び立って
そのあとの静けさに
あおく光るシャガがぽつぽつと灯る


今日も
山をこえてあの店へ


この春からの忙しさに
疲れきっていた
だから少し
行くのをためらったのだけれど…


ドアを開けると
でも

いつもの豆の匂いと
期待通りの空間に
やっぱりほっとする


席について
ひたすらぼーっとして

バナナケーキと
アイスカフェオレが
半分ほどになったとき

ふと
「恋」を自覚した

 私は恋をしている

この白い皿に走る緑に
生クリームに浮かぶミントの葉に
赤くてつるりとしたスプーンの曲線に
グラスの凹凸に翻弄される光に

 私は恋をしているのだ



カフェオレを飲みほしたグラスの底に
とがった花の模様が浮き出て

BGMのサックスの煙った音が
机や壁や床に染み込み

外の光よりも電球のオレンジが勝つころ


息をひそめて
吸い込んだこの空間の香りを
胸にとどめたまま

店を出た


「月がでてますね」

店主の言葉に空を仰ぐと
山の上には
南中を待つ月が
千切れ雲を制していた
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by michel-nano | 2015-05-02 22:00 | 三村珈琲店