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交信

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立体的な雲に
西からの陽が当たる

一部が金色に光っていて
思わずため息がでた

美しいものに
ふいに出会った瞬間

最近は
貴方の名前が脳裏に浮かんで
瞼の奥がピリリとなる
不思議

自覚している思考の下
知覚できていない意識の部分で
交信が行われているようで
不思議


最近は会いたいと
何としても会わなくちゃと
そうは
思わなくなった

自分の感情をそのまま受け入れて
会おうが
会うまいが

この想いが
現状や過去
未来にかかわらす
変わらないと確信できてから

結局
その想いだけで
私の人生の一つの意義はあったのだと

そう思えるのが
嬉しい

このまま完結しても良い
ただ学びはまだ終わっていないそうなので

タイミングが来たら
会えるのかもしれない







# by michel-nano | 2023-08-27 14:17 | 作品(立体)

三村珈琲店

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蛍営業をするとのことで
居ても立ってもいられず

夕方から
山奥を目指した


水を孕んだ緑たちが
濃厚な息を
吸って吐く音を聞きつつ

今日は
娘と妹を引き連れて


もう
15年まえのような
秘密のカフェではなくなってしまい

情報を聞きつけた目ざといお客さんたちで
店内はすぐに満席になった


あんなに小さかった
上の息子さんは高校3年生になり
なんとお店を手伝っている

今年は受験だから
夏の旅には行かないかもとのこと

下の子と店主の二人旅かな
海外の予定だそうだ


イヤイヤ期真っ只中の娘が
おもちゃがたくさんあるスペースで
集中して遊んでくれている間に

エチオピアモカとバナナのケーキを
堪能する
これでもかと味わう
変わらない味
変わらない魔法


私も
魔法使いになりたいな




日も暮れて
蛍が飛びはじめた

お店の外にも
ちらほら飛んでいて

さすが蛍営業
最高のロケーション

蛍狩りもしてしまおうと
帰り道というかお店のすぐ近く
光がたくさん見えた所で車を停めた

街灯と街灯の間で真っ暗なおかげで
川や道路や木々の上まで
蛍があふれているのがよくわかる

誰も観光に来ないからだろう
人間への警戒心がなく
ゆっくりと目の前を飛んで
すぐ捕まる


幻想的な空間に
見とれてしまっていたけれど
地球には
時間という縛りがある事を思い出し

その場を後にした

車のドアミラーにも
蛍がとまっていた


今年は蛍が出るのが早いらしい
だから
蛍営業が終わる前

来週も絶対来ようと思った











# by michel-nano | 2023-06-14 22:00 | 三村珈琲店

三村珈琲店 TRAILERCOFFEE

三村珈琲店 TRAILERCOFFEE_b0133939_12272230.jpg


珈琲を飲むということ


どの豆かも大事だ
どこで飲むのかも大事だ
私にとっていちばん大事なのは
誰が淹れたかという事だ



魔法つかいが淹れた珈琲を
飲みに行った

月に2回
昼から夕方まで
ありがたくも私の家から車で10分のところに
魔法つかいはやってくる


そこはおしゃれなお店や
ちょっと高級なマンションが立ち並んでいている場所

大通りから少し入ったところの
素敵な雰囲気のアンティークショップの一角で
魔法つかいは鉄の部品をいじくっていた

聞くとマフラーを固定する器具を作っているだか直しているだか


この人は
なんだかひょろりとしていて
ゆったりしていて
軽やかで
飄々としていて
何でもできるのに
自分の納得した事しかしなくて
地に足がついていて
その足と自転車1台で
暑い国の珈琲農園を旅したりする

そんな人だ



私は
この人の淹れる珈琲を飲むことで
この人の膨大な歴史や周波数の
億分の1を取り込んで

なんだか心地よい気分になっている


カフェインのせいかしら
魔法のせいかしら
ひとくち飲み進めるごとに
私の中の遺伝子が
少しずつほぐれて
新しく変わっていく



時間が押していてテイクアウトしたグァテマラの香りが
車内に広がって


魔法につつまれて





# by michel-nano | 2023-06-14 14:40 | 三村珈琲店

洗脳

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皆が17歳だったある日
あの人が言った

「あの子の意見は素晴らしい」

あの子の意見とはこうである

人生は苦しみの連続でありその苦しみの中にこそ真実を見出すべきである」

私は
「なんだそれ辛気臭いな」
「楽しめよどんな事柄だって」
「17歳がそれ言うか」

と一瞬思ったけれど口には出さなかった

なんだか流れでそっちが最も素晴らしいものとして
その場がくくられた


あの人は
私を攻撃する手段として
あの子を称賛するのが都合が良かったのだった

うっすらと分かっていたけれど
私はその言葉にまんまと洗脳され

何かを楽しもうとすると
ふとその日の言葉がよぎってしまうのだった

人生は苦しみの連続でありその苦しみの中にこそ真実を見出すべきである」


あれから20年が経って
やっと洗脳が解けた


その子の真実はそれで良い
私の真実は別のところから見つけるとしよう
わざわざ自分から苦しい方へ行かず
起きた出来事をフラットな目で見て学ぼう

何かが起きたら
それはきっと私が気づくべき事が潜んでいると分かるから

出来事は苦か楽かに関わらず
味わって糧にしよう


そう思うと
地球の重力の向きが変わった

足が軽くなって
ふらりとサンダルで外へ


私はこれから

何年ぶりに飲むだろう
泡の出るお酒を求めて

夜道をペタペタと進むのだ







# by michel-nano | 2023-06-10 12:29 | 作品(絵)

いい絵

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本当に久しぶりに
絵を描いている

小さな作品をいくつか


上手い絵ではなくて

その時放たれる
自分のクリアなエネルギーを
いかにのせて描けるか
頭で考えるのではなくて
息で描くような


そんな絵を


最近素晴らしい絵に出会った

その人が
そのままの魂をペンにのせていて
不純物ゼロの絵

その絵を見て
涙が出てくる人も居るという

納得だった


いい絵とは
こういう事なんだと思った


まえは
いい絵が分からなかった
上手な絵はわかりやすくて良かった


いまは
上手なだけの絵は
それはそれで素晴らしいけれど
少しつまらなくなった


私も
私の絵が描きたくて
やってはみてるけれど


ああしよう
こうしようが勝って

なかなか難しい



今は中途半端で良い

いつか
大きなキャンバスに
私のクリアなエネルギーをのせて描いた
いい絵を

完成させたい


# by michel-nano | 2023-06-05 12:25 |