ちょうど雨で 狭まっていく視界が 心地よくて 許容量を超えた 数種類の波を編みながら 走っている ぎゅんぎゅんと 思考していた脳を 少し休ませたら そうか 意図していなくても 整えられる瞬間の連続が今を作っているのかと 腑に落ちる 打楽器的に扱われるピアノを 肯定的に感じるのも いつもは不快に思う 七色のLEDの下卑た看板が 魅力的に映るのも 私が今 数分前に居た次元を 超えているからなのか なぜ なぜ を手放した先に 落ちている答えを 自由な気持ちで拾って 歌いながら 拾って #
by michel-nano
| 2024-02-22 23:31
| 作品(絵)
ある夜 わたしは 見えない翼を広げて 歩いていた 見えない翼は 目には見えないのだけれど 背中から体の真横に向かって 確かな質量を感じられて ピンと広げると 全長6メートルになる それは 大きな鳥の姿で 明確なイメージを持って わたしは その翼の位置を保ったまま 歩き続けた これは わたしの いつかの姿なのだろうか 大きな鳥だった頃の私は 自由だったろうか それとも 窮屈だったろうか 孤独だったろうか 満たされていただろうか 傷ついてはいなかっただろうか そんな事を思いながら 車道の横をずっとずっと 歩いていた 車が通るたび 車道にはみ出した わたしの翼が 煙のようにかき消されて 悲しかったから 方向を変えて 田んぼに挟まれた 真ん中の小道を行くことにすると 月明かりに 羽の一枚一枚が きらきらと照らされているようで 気持ちが良くて 呼吸も楽にできて 今日の命を完遂したような気になった またいつか 鳥になる夜がくるだろうか あれから数日 夜に歩いても あのイメージが もたらされることはない #
by michel-nano
| 2023-11-29 18:41
| 作品(絵)
自分と対話しながら 一歩一歩ゆっくりと 進んできた 進むたびに 驚きと感動がついてまわって 結構 めまぐるしかったな 昨夜 いつものように 意識の静寂の端で 私自身に問いかけていたら ひとつの解が 手の中にあらわれた もし 貴方に会うことがあって 話をしたとして じゃあ「だから?」と言われたとして 貴方に何かを求める事はないなと思った 応えてほしいわけではなくて 思い出してほしいわけでもなくて 笑ってほしいとも 泣いてほしいとも 困ってほしいとも 思わないなと 貴方を想っている この事実が 当の貴方とは全く関係なく 私の人生においてのみ ひとつの揺るがない現象で 他の誰にも 私ですら 制御できないという事実であり 恐らくこの 手に負えない感情は 最期まで持ち続けるであろう そう断言できることが ひとつの解答だと思った いつか見た ピンクトルマリンの色をした宝石が 私の胸にうずまっている夢 この夢のように 貴方への想いが 私を構成する 柱の一部になっているという事 なんのジャッジもなく ただ そうなんだと 気づいたとき 15年間のおさらいができ 現時点での学びが終えたのを 感じた よくも こんなにじっくり丁寧に 時間をかけて導き出したもんだなと 必要な過程を全て通った 完璧な運びで ここが タイミングなんだなと 納得した もし生まれる前の私が この事象を 緻密にプログラミングしていたとしたら なんて奴だお前は と 当時の私に言ってやりたい しばらくは この感情に浸っていようと思う スッキリとして涼やかな 秋のはじめに似た この感情に #
by michel-nano
| 2023-09-21 00:00
| 作品(立体)
まだ夢の中に居たいのか 朝 自分の為のミルクティーを淹れながら なんだか どうも今日という日に 現実味がないというか 心ここに在らずというか やっぱりさっきまで見ていた夢が 良すぎたんだな そう思いながら 記憶をなぞっている 夢が劇的な変化を始めたのは 1年とちょっと前から 傷をえぐるような内容が 緩んで解けていくような過程を辿って 今日 ほぼ癒やされた気がした 心地よくて もう少し夢の中に 意識を浸していたくて ぼーっとする ミルクティーは いつも通りに淹れたにもかかわらず 味がぼやけて よく分からない飲み物になっていた 五感まで 夢に引きづられて 不明瞭だ 次の夢は どんなのだろうか 遅くても3ヶ月以内には 見るだろうから また変化するだろうか また 夢の中に居たいと 思わせてくれるだろうか #
by michel-nano
| 2023-09-15 15:42
| 作品(立体)
少し冷たいなと そう感じる程度の水底で 眠っている 細やかな砂が 静かな水流で巻き上がり 頬をくすぐっているのを 気付くか気づかないかくらいの 浅い眠り ふと 随分前に笑いあった人との 思い出に瞼が触れて 目を開けると 手に当たる 石のようなものに気づいた すべすべとして 硬い感触 砂の少し下にそれはあって 咄嗟に掴んで掘り起こすと 胸像が姿を現した 誰かに似ている なんだかとっても 大事なもののような気がして 恐る恐る 抱きしめた 抱きしめても 抱き返してくれることはなく 少し悲しくなって それと同時に安心もして その石像を 丁寧に埋め直した さっきよりもう少しだけ 深いところに そっと そして また睡魔がやってきて 砂の上で ゆっくりと瞳を閉じた 人魚は 忘れる事にした 睡魔が今の出来事を全て泡に変えて 水面に持ち去ってくれるのを願って 規則的に 唇から放たれて登る 宝物をしまいこんで 少し 満足して 人魚は眠る #
by michel-nano
| 2023-09-10 15:38
| 作品(立体)
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