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私事


この前は すごくうまくいったんです

喉の調子はすごく悪くて
当日 曲の変更もあったのに

不思議と会場の空気は 私の思いのまま
MCも飛ばしてた


今回は
喉の調子は完璧で
曲の変更もなく

心も体も準備万端
素晴らしい状態で臨めたのに

びっくりする程 ままならない

こんな事 今まで一度もなかった

演奏云々ではなく
トーク云々でなく

何か悪魔のような力を感じた

一緒に組んでいる人も それを感じたようで
二人で変な心持ちになって
変な汗をかいて
どっと疲れて
演奏後のカフェで兎に角 とびきり甘い物を食べた

原因や理由は
こちらと会場 両方に沢山ありそうだけど

いままで
長い事やってきて
舞台の悪魔に足を引っ張られた気がしたのは
今日がはじめてだった

逆に
いままで
長い事やってきて
よく 足を引っ張られなかったものだ
と思った

とりあえず
今回の経験は次に生かすとして

原因は
今朝見た「知らないおばさんに山の中に連れていかれる」夢のせい
という事にして

今日はもう
ホントにもう

寝ることとする










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# by michel-nano | 2012-05-20 22:52 | | Trackback

diver


10の方向すべてを見て
探る
というより
潜る

光を纏った風は
どこから吹いてくるのか
知るために

案外
近いところから
この頬を
撫でにきているのかも

なんて期待したり

視力の及ばない
遠くから
この空気の帯は
伸びてきているのかもと

ちょっと恐くなったり
している





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# by michel-nano | 2012-05-14 09:00 | | Trackback

In Front


なんて透明度で
音の粒を生み出すんだろう
と驚いた

ジャケ買いした
お気に入りのCD

キースジャレットの
ピアノソロ

この完全な即興は
どの芸術より芸術だと思った

ビルエヴァンスと
同じ日に出会ったもう一人の
JAZZピアニスト


イライラの頂点にて
炎の速度での作業中

ふと
この曲を流した途端

怒りのエネルギーは
純粋な燃料に変えられて

私の手助けをした





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# by michel-nano | 2012-05-12 23:50 | | Trackback

Some Other Time


びっくりするほど
上手く眠れていた頃

聞いていたのは
あのJAZZピアノ

お店の人が
「ビル・エヴァンスは初めての方にオススメ」
と持ってきて

藤色に
黒のシルエットの
CDジャケットが

何だか妙に
心にしっくりきた

あの頃の私は
高校生になったばかりで

甘い果物のお酒の味も
上品な眠りの味も


知らなかった





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# by michel-nano | 2012-05-11 02:00 | | Trackback

緑の風


1秒に4度はじける
リズムでも

たぶん
まだまだスローテンポな音楽

地球が高速回転して
すぐに夏がやってくる

暗い水面の
海蛍の群れの中に

勢いよく飛び込むような
そんな事
わざわざしなくてもいいけれど

この
からだを向かわせるのは
なんのちからなんだろう

汗ばむ午後の体温を
さらりと奪ってゆく
この風だろうか

それとも





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# by michel-nano | 2012-05-10 23:50 | 植物 | Trackback

水槽


光を帯びて漂っているのは
さわれない鰭

捕まえるためには
見えない言葉を使う

おいで





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# by michel-nano | 2012-05-01 10:08 | 作品(CG) | Trackback

らせん


命を構成する
4つのシステムが
言う

半分
引き継いでいます

また

心を構成する
5つの色層が
燃える

満足とはこの事です


6つの次元が
輪になっている
その外側から

歌が聞こえてくる


澄んだ歌が

聞こえてくる






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# by michel-nano | 2012-04-26 23:50 | 透明な静物 | Trackback

寄る辺ない


その爆発は
遠くで響いていた気がする
心の近くではあったけれど
中ではなかった

ひとときの優しい音楽にすり寄って

上質な1秒を手に入れて
後の夜にあくびして

ハッとして
蓋をあけてみれば
いつかの春を
そっくりそのまま
繰り返していたのだと気づいたら

あの人は
あの人は

どんな顔をするのだろうか

眉をひそめるのだろうか
それとも
泣くのだろうか





# by michel-nano | 2012-04-25 15:09 | | Trackback

運ばれてきた桜の花びら


強い風が吹いている
気温はあたたか

知らない人の
ハタハタとなびく
薄いシャツが
光に透けるのを見ていた

気持ちのよい
午後

山桜の花びらが
ここまで飛ばされてきた

今年は
山に入っていない

かわいた落ち葉の中心で
ひっそりと佇む
あの
山桜の隣で

息をしていない






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# by michel-nano | 2012-04-24 15:40 | | Trackback


太陽の周りを囲む
薄雲の
その中に
虹が引っかかっていた

まわりに居た人たちが
いいものを見たと
ささやき合っていた

私も
本当にそうだなと思いながら

でも
少し悲痛な気持ちも湧く
この心を
あわれんでいた







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# by michel-nano | 2012-04-20 22:16 | | Trackback


かぶさった瞼の血管が
網目のようになって

見える

少し湿った
首をなでる手も痺れて

白昼に
夢を見る

空を飛ぶ夢を

深緑の色の山を南に
海に向かって滑る

霧のかかった港はモノクロで
私はもっと高度を上げる

温度は
ない

音もしない

そんな
夢を見る




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# by michel-nano | 2012-04-18 02:46 | | Trackback


羽の音が
聞こえてきた

ここに
まだ春は来ていないのに

さっき飲んだ
花の香りのお茶に

寄ってきたんだろうか








# by michel-nano | 2012-04-11 13:20 | | Trackback

本当


例えば

エネルギー豊富で
でっかいエンジンをかかえていて

いつも動き回っていて
いろんな事に興味があって
思い立ったらすぐ行動で

度胸がある

みたいなイメージを
もったりするみたいだけど

全然違う


わりと卑屈で
自信がなくて
ウジウジしていて

面倒くさがりで
自制心がなくて

キラキラしている人をみて
有名人をみて
憧れて

人を動かす空気を纏って
しかも力強い
気まぐれで行動しても
許される
そういう人が
とてもうらやましい


そして
何もない自分に
ため息


これが本当なんだけど

あんまり伝わらないようで


まあいいけど

それでも

そういう誤解は
まんざらでもない







# by michel-nano | 2012-04-07 19:12 | | Trackback


頬をなぐる
裸の風が

あたたかい
雨を纏って
北上中


雲の上では
白くて薄い月が
東の空を
よじ登っている

その無音







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# by michel-nano | 2012-04-03 12:31 | | Trackback

モチーフ


透明な和音は
4つをまたいで響く

ストレートに会いたいとか
言ってみようか

もう
会えない人に

そんな気分になる
ピアノの歯列をなぞって
ひとりごちて
含み笑い

いつかの私は
あんなに泣いていたのに

今は
笑う
はかなくとも
笑う






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# by michel-nano | 2012-04-01 09:23 | 作品(CG) | Trackback


よくよく読んでみると
脱したと思える

私の指
よく眠れた指

多分
秋くらいから
枯れ葉になっている事に
気付いたのだ

それはそれは
長いあいだ
止血していたものだと

今は桃色の
その肌を見て
いつか
黒い痣になっていた事を思い

またそれを
愛していた事を思い出し

些事だなと

ちょっと息が止まるくらいの
些事だったのだと

今なら思えるのが

救いなのか
救ようのない事なのか






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# by michel-nano | 2012-03-31 09:59 | | Trackback

隠れる


理解されなくても
いいと思ったのだ

言動と
内側は同じでない事など

誰にでもある

はじめから
中を見せて
「はいどうぞ」してしまったら

色々
恥ずかしいじゃないですか

スーツを着て
内ポケットには
ニッキの飴やら
紙風船が入っているのは

私にとっては魅力的で
少し誇らしい

でも忘れておく


自分でも
気付かないくらいに
とどめておこう

この気持ちは






# by michel-nano | 2012-03-30 20:46 | | Trackback

あの浜で見た


気もそぞろ

指先のフォローを忘れて
とりあえず
電車にのる

少し暑い日差し
窓には涙のあとが透けている

ふと
思いだす
夏の夜の浜辺

ずっと
忘れていた

忘れていたかっただろうか
胸の内に
訊いてみても

だんまり


この心臓は
つれないし

鈍行だからか

スローな
スローな鼓動









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# by michel-nano | 2012-03-29 14:17 | | Trackback

うつる


思い出のひとかけらを
浮かべて

さあ
飲みくだそうと
考える

少し迷っているうちに
もたもたしていたら
炭酸の泡に
とけてしまって

この瞳に映す事も
消化する事も
できなくなってしまうから


栗色のピアノの
鍵盤を撫でているあの頃が

声をかけてくる前に





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# by michel-nano | 2012-03-28 14:22 | 透明な静物 | Trackback


すり寄ってみれば
花の根元

うららかな春の光に
耐えて
耐えている
声が聞こえた

ここには
理論がびっしりとつまっていて
良い

とのこと


自分は
こうやって
忍び
偲ぶために
ここに居る

とのこと


では
私もその隣に
ひととき
身をひたしてもと請えば

一瞬ならば
良い

とのこと




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# by michel-nano | 2012-03-27 23:50 | | Trackback


ここに
浅く埋まった心臓が
念を押す

この公式が解けたら
びっくりして
止まっちゃうかも知れないけれど


静かに
波打ちながら


こんなにも
か弱いものなのですね


私の血液は







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# by michel-nano | 2012-03-26 14:41 | | Trackback


コントラストの弱い
灰色の
空と壁と地面

不安定な足場で
もの思う

温かい
雨と花の降る

予感がする







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# by michel-nano | 2012-03-25 13:00 | 透明な静物 | Trackback

メモ


風のふく

強くてあたたかい
風のふく
小高い
丘の上で

ばっさりと
倒れて
それから叫ぶ 「ごめん」






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# by michel-nano | 2012-03-24 09:00 | CG加工 | Trackback

雲と煙


喉に訴える
一番弱い言葉を選んで
放つ

でも
その答えとしての
微笑に傷つくのは

舌先に乗せた本人





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# by michel-nano | 2012-03-21 16:58 | 風景 | Trackback


沖を目指して

海を割ってゆく
月の光の道だけが
透明で

もう少し待ってくれても
よいのに

南中までに
支度を終えてください
とせかす

ゆっくり参るわけには
いかないらしいから

すぐにでも
エンジンに火をつけよう






# by michel-nano | 2012-03-19 16:16 | 風景 | Trackback

途方


その
透ける葉脈に
指を入れてみて

訊く

まだ
息してるかな


 息もしてるし
 愛しもしてます

そう
さらりと言ってのけて

兄弟のような
姉妹のような
親子のようなたましいを

器にそそいで
それで
またたく間に飲み干して




口をぬぐって
少々
いじわるな表情を

此方にむけた






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# by michel-nano | 2012-03-18 22:38 | 風景 | Trackback

香り


十何時間か眠って
目が覚めたら

ぬるんでいた

体積の増した
空気が
頭の中にまで充満して

甘い梅の香で
目があつい


そうだ
春は

変になる季節だった








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# by michel-nano | 2012-03-17 20:33 | | Trackback

照らされる


潤いのある
細い枝を

がんばって
手折り

その先っぽの
繊細な花を
散らさないように

丁寧に
もって帰る


あの人のところへ

もって帰る





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# by michel-nano | 2012-03-16 12:57 | 風景 | Trackback

位置


そこに立っている

ひとは
何を見ているんだろう

地球の外側から
月を見て

ふと
家に忘れてきた
古い手紙の事でも
思いだしているんだろうか

慕う文面の横に
舞っていた花びらの落書きを

今になって
鮮明に思い出しているんだろうか









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# by michel-nano | 2012-03-13 22:12 | CG加工 | Trackback


まえは
そこある事がすべてだった
いまは
ここにある事がすべてだ

心のうちも
その時々の「すべて」の中に含まれるのを
認めるべきだ

そろそろ

ずいぶんとかすれた声で
ささくれた枝のような声で

いつかの私が
いまの私に言う


もう仕舞えたの?

              ―はい


ほんの何日か前のように思えて
でももう何年もたっていること
きちんとした
きちんと思って整列させて
収めた

過去は
どうにもならないので
どうにでもしてしまえるけれど

数秒先の未来を読むことは
たいへん難しいので

ひとまず

いまの熱い目の前の
いまだけ湯気をたてるコーヒーを

冷めないうちに
すする






# by michel-nano | 2012-03-09 12:55 | | Trackback
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